音楽教師力アップ
 

男子の歌声づくり~変声期・発声・異性の生徒への指導〈後編〉

小田美樹先生、山本高栄先生、横田純子先生がお悩み回答!

男子特有の「変声期」への寄り添い方、発声・音取りの技術的な指導、異性の生徒への指導のポイントなど、男子生徒への歌唱指導にまつわるさまざまな悩みにお答えします。


小田美樹(福島県いわき市立玉川中学校教諭)
山本高栄(愛知県名古屋市立滝ノ水中学校教諭)
横田純子(東京都府中市立府中第四中学校指導教諭)
構成:小島綾野

変声前の男子はどのパート?

小田美樹 私は、変声前の子のうち「主旋律じゃないと歌えない」という子はソプラノに、「ハモりをやりたい」という子はアルトに。変声前なのに男声パートに入りたいという子には「いいけど、出せる音が少なくてもったいないよ。ソプラノの方が活躍できるよ」などと伝えます。

その上で、全体の並び方を「ソプラノ女子/ソプラノ男子/男声パート/アルト男子/アルト女子」にする。つまり、女子の列の中に男子がぽつんと入ることのないように配慮するんです。

そもそも混声3部の場合、男子全員が男声パートに行くと、ソプラノやアルトの人数は男声パートより絶対的に少なくなる。だから、男の子がある程度女声パートに入ってくれた方がバランスも取りやすいですね。

横田純子 私も中1のクラス合唱では男子を大体3分の1ずつ、ソプラノ・アルト・男声パートに分けます。パート分けのときには、男の子たちに「自分のしゃべり声を友達と比べてみよう。『自分は高めだな、男子全員のうちで高い方の3分の1に入っているな』という人はソプラノに行くととてもいいし、『自分は低音でしゃべる方だな、低い方から3分の1に入っているな』という人は男声パートに行くといい。自分の持ち声の高さが生かせるところに行こう」と。

それから1年生では「主旋律がソプラノばかり」という曲は選ばないし、そういう曲を歌わざるを得ないときは少しアレンジをさせてもらっていますね。アルトも主旋律が歌えるようユニゾンにしたり、アルトが主旋律でソプラノがオブリガートになる部分をつくったり……中1だと、アルトで和音を担う楽しさを味わうのはまだ難しいし、主旋律がないとやっぱり面白くなくて、アルトを希望する子がいなくなってしまいます。

山本高栄 なるほど。「男子19名・女子9名のクラスで、混声3部合唱が難しいです」というご質問もありましたが、このような男女比が極端なクラスでも同様に対応できそうですね。

男子の声のクオリティを上げたい

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