音楽教師力アップ
 

人気卒業ソング『時を越えて』~作者が語る制作秘話、演奏・指導のポイント

「明日の自分のために“精一杯”の経験を」

中学校の卒業式で在校生が歌う「送る歌」として根強い人気を誇る合唱曲『時を越えて』の作者が、制作秘話や演奏・指導のポイントを語ります。

[楽曲]
『時を越えて』(混声三部合唱)栂野知子作詞・作曲
[収録曲集]
レッツ・コーラス! 第三版』他


栂野知子(作曲家) 構成:山口 敦(音楽ライター)

教え子の甲子園から得た 『時を越えて』の根幹メッセージ

教え子が甲子園に出たことがあったんです。その応援に行って感動して帰ってきて、すぐ書いたのがこの曲です。あれだけ厳しい練習に耐えて、ああやって最後に泣けるっていうのが羨ましいなと思って。この子は一生これを忘れないで、これを糧にして生きていけるんだろうな、と。そういうものがある人とない人とでは、大人になったときに全然違う。頑張ってよかったと思えるときがきっとくる。今すぐに結果に結びつかなくても、それがいつかどこかで自分に返ってくるよ、ということを伝えたかったんです。

歌詞に「この日」と「あの日」という言葉が出てきますが、1番は夢がかなった今のことだから「この日」、2番は一つ夢がかなった後のことだから「あの日」と振り返っています。「この日」を持っている人は、つまずいても「あの日」を思い返してまた頑張れる。それが自分の誇りや自信につながっていくから、「この日」をつくるために今を生きてほしい。そういう思いが「時を越えて」というタイトルにつながっています。何年、何十年経っても「この日」を持っている人は、時を越えて羽ばたけるから。それがこの曲に込めた根幹のメッセージです。

栂野知子(とがの・ともこ)
千葉大学教育学部中学校教員養成課程音楽科専攻卒業。卒業後、千葉県内で公立中学校教諭として勤務。その後、札幌市で小学校講師を経て、東京都内で再び小・中学校教諭として勤務。大田区立中学校在職中に合唱曲の作曲を手がけるようになる。主な作品に、『時を越えて』『君と歩こう』『My Own Road~僕が創る明日~』『明日へつなぐもの』など。

『時を越えて』演奏・指導のポイント

Aメロは言葉を大切に

Aメロは「語る」部分なので言葉を大切に。ユニゾンの歌い出しは気持ちをそろえて入ってください。1拍目が休符なので、そこにどう入るか、「きみの」に入るときの気持ちのそろえ方を考え、1拍目を共有できるといいですね。

「縦書き歌詞の1行を1フレーズだと思って歌ってください」とよく言うのですが、フレーズ途中の休符は間を取るだけの休符のつもりでブツっと気持ちを途切れさせないように、4小節をひとかたまり、一つのフレーズだと思って歌ってほしいです。

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